手の届く範囲で確かな意思やこだわりを持って働く方をゲストに迎え、仕事作りのヒントをお伺いする「こ・あきないの学校」。
全6回にわたる小商いについての最初の授業は、「仁平古家具店のはじまりといま」。
栃木県真岡市を拠点とし、東京の店舗も合わせて6つのお店を展開している仁平古家具店店主の仁平透さんを講師としてお招きし、好きなものを仕事にするとはどういうことなのかについて、お話をうかがいました。
古いものたちの新しい居場所作り
仁平さんは古い家具を扱う「仁平古家具店」、古家具や陶器、テーブルウェア、アパレルなども扱う「pejite」というセレクトショップを運営しています。
その他最近では、山奥にある取り壊し予定の民家を買いとってリノベーションした後、お店を開くための新たな場所として貸しに出す「place」という事業も行っています。
物品のみならず、場所や空間などの視点からも古いものへのアプローチを行うことで、古き良き物たちが生み出す素敵な体験を多くの人々に届けています。
好きなものを仕事にする
仁平さんのお話の中で特に印象的だったのは、お店や事業を行うにあたっての「好きなもの」についてのお話でした。
仁平さんは、「お金が無いなら、無いなりに楽しむ。どんな状況においても楽しむことができるというのが『好きなもの』なのだと思います。しかし、好きってだけで生活していくのはやっぱり難しいですから、好き+人を魅了する要素っていうのが必要になってきます。例えば、好きだからカフェを開きたいと思ってみてもカフェなんて五万とあるので、ビジネス的な視点から見ても、そういった環境の中で続けるには土台となる信念が大事なんです」と話してくださいました。
実際お店を開くにあたって行政の関係部署へ相談に行きましたが、あまり良い反応を得られなかったと言います。それでも、コツコツと一年間の準備期間を経て、民家を自力で改装し第一号店をスタートさせました。
「仁平古家具店」は、古いものが好きだという仁平さんの想いがあったからこそ実現したお店でした。その信念が伝わるように空き家でガラガラだった周辺に、次々と雑貨屋やカフェが出店し初め、わざわざ東京からその地域にやってくるほどのムーブメントとなっていきました。
▲ファシリテーターを務めたのはtsumikiディレクターの桃生和成と「旅と本とおやつと」の鈴木朝美さん
今回こ・あきないの学校に参加した方々は、自身でお店を営んでいるという方も多く質問コーナーでもさまざまな質問が飛び交い、皆さんの熱量の高さが伺えました。
好きなことで生きるというのはどういうことなのか、それには何が必要なのか、そもそも自分は何が好きなことなのか。会場にいたすべての人が自身の「好き」について再確認する貴重な場となったと思います。
◎ おやつタイム ◎
当日、9月に入ってもまだまだ残暑が厳しい中、涼しげでさっぱりとした「イチジクアイス」を提供してくださったのは、東松島にあるお菓子屋さん「peu a peu」さんです。
自宅で栽培しているというイチジクのジュレが甘いアイスクリームの下に敷かれていて、相性抜群。ビスケットのザクザクとした食感やミントの清涼感などのアクセントもあり、最後まで美味しく食べることのできると会場の皆さんも舌鼓を打っていました。
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「こ・あきないの学校」全6回
◆オープニングイベント 仁平古家具店のはじまりと今
●日 時:9月1日(日)13:00-15:00
●話し手:仁平透(仁平古家具店 店主)栃木県真岡市
◆プログラム01 食と地域とこ・あきない
●日 時:9月14日(土)13:30-15:00
●話し手:畠山菜奈(舞根キッチン)気仙沼市唐桑町
◆プログラム02 カフェとギャラリーとこ・あきない
●日 時:9月28日(土)13:30-15:00
●話し手:田代成(Satomi kiln)仙台市青葉区
◆プログラム03 花とこ・あきない
●日 時:10月6日(日)13:30-15:00
●話し手:大塚のぞみ(Botanical People 店主)松島町高城
◆プログラム04 喫茶とこ・あきない
●日 時:10月26日(土) 10:30-12:00
●話し手:菊地祥史(喫茶コーヒーワークス 店主)仙台市泉区
◆プログラム05 こ・あきないの学校をふりかえる
●日 時:11月9日(土) 13:30-15:00
■主催:利府町
■企画・運営:一般社団法人Granny Rideto
■協力:旅と本とおやつと
(tsumikコーディネーター 吉田音生)