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片岡翔映画監督と語る「想いをかたちに」~短編映画上映会~

3月10日(金) tsumikiにてスペシャルコラボ企画 TSUMIKI SHORT FILM& TALKING THEATER『想いをかたちに』を開催しました。

ゲストには、映画監督の片岡翔氏、現代芸術家でアイリンブループロジェクト代表のすがわらじゅんいち氏をお迎えし、進行はtsumikiディレクター桃生和成が務めました。

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▲(右から)すがわらじゅんいち氏、片岡翔監督、桃生

 

上映会に入る前に、tsumikiの説明をかねて、『tsumikiができるまで』(制作:利府町/6分/2016年)を上映しました。当日、はじめてtsumikiを利用した方にも、施設のこれまでをご理解いただけたようでした。

 

そしてまずは、片岡氏がぴあフィルムフェスティバルでの準グランプリをはじめとして様々な賞を受賞した『くらげくん』(14分/2009年)の上映です。

別れを前にした少年二人の交流と心の機微を表現した本作品について、ファンタジーが好きだという片岡氏は、「自主映画ではできることが限られているので、リアルな作品であっても、ちょっとしたファンタジー要素を盛り込むことを意識しています」と話し、脚本作りで意識した点を解説されました。特に、『くらげくん』では、主人公の一人くらげくんの衣装にファンタジー要素を盛り込んだとのことでした。

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▲画像出典: 仙台短篇映画祭2015上映作品

http://www.shortpiece.com/archive/2015/1f_2b1.html

▲予告編はこちら→  https://youtu.be/JqQF7yP0nNA

 

 

次に上映されたのは『ぬくぬくの木』(15分/2011年)です。

経済産業省が主催するプロジェクトの助成金を受け、制作しました。ぬいぐるみの供養をする神社という一風変わった設定が舞台の本作品について、「父が日本人形やフランス人形などを扱う仕事をしていた影響もあって、私も人形やぬいぐるみが大好きなんです」と語る監督。自身が撮る映画の特徴でもある美術や衣装にこだわりは、そうした家庭環境も影響しているのかもしれないと自己分析をしていました。

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▲画像出典: 「NO NAME FILMS」上映作品

▲予告編はこちら→ https://youtu.be/KAt_19NzjAs

 

ここで、予定にはありませんでしたが、片岡氏が被災地に想いを寄せて、撮った映画として3分11秒の短編映画映画『超スーパーギガゴーレムSVプラス超リーサルウエポンⅡアンドギガ』(3分/2011年)を上映。

震災の年に撮られた映画ではありますが、やさしい雰囲気を感じる映画に会場の空気が和みました。

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▲画像出典:仙台短篇映画祭2015 プロジェクト『311明日』参加作品

http://www.shortpiece.com/archive/2015/1f_2b1.html

 

 

いよいよ、今回メインとなる『ふうせん ふふふ、そら ららら』の上映です。

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▲画像出典: アイリンブループロジェクト

http://www.seibun.ed.jp/movie/fufufu/

▲予告編はこちら→ https://youtu.be/8f0vvooOlZc

 

上映にあたって、「アイリンブループロジェクト」の概要説明と制作までの経緯を、同プロジェクト実行委員会代表であるすがわらじゅんいち氏が説明しました。東日本大震災の津波で亡くなった佐藤愛梨さんとそのご家族をモデルとした本作品は、すがわら氏が被災地を訪ねて、感じ取った強い思いからスタート。その思いに共感する多くの人からの寄付によって『ふうせん ふふふ、そら ららら』が形になり、今年からは全国各地での上映も決まっています。

この作品について片岡氏は、「ご家族の気持ちを最優先に考えました。その上で、許可をいただき、ご自宅や遺影を撮影に使わせていただきました。そうしなければ、この作品をつくる意味がないと感じていたからです」と制作に対する想いを語りました。

 

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その後の「想いをかたちにする」というテーマで、トークセッションが行なわれました。

片岡氏は、高校卒業後、地元札幌の遊園地に就職。20歳の頃に上京し、一週間に1度、映画製作のワークショップへ参加しながら、映画を学んだ後、様々なジャンルの短編を実際に試していきながら『くらげくん』を制作したといいます。

ぴあフィルムフェスティバルや様々な賞を獲得し、映画監督となった片岡氏は当時を振り返って、「20歳前後の時、高校卒業後に就職した遊園地で、周りのスタッフが本当に楽しそうに仕事をしているのを見て、自分にとって『一番楽しい仕事』とはなんだろうと真剣に考えました。そうしたら、映画をつくる人になりたいと思ったんです」と自分の仕事と向き合うきっかけとなった出来事を明かしてくれました。

 

また、すがわら氏は、春から始めたこのプロジェクトが映画という形になったことについて「いくつになっても夢を諦めずにいたら、このプロジェクトのように、いくつもの良い縁が結ばれます」と夢を持ちつづけることの大切さを伝えてくれました。

 

イベント終了後、「最後にもう一本」という片岡氏のサービスで、『流星と少女』(17分/2015年)を上映しました。東北生活文化大学高等学校の生徒とワークショップでつくった作品で、将来の仕事や夢に悩む女子高校生二人が主人公の短編です。この作品は、今日の話と通底するものがありました。

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▲画像出典:仙台短篇映画祭2015上映作品

http://www.shortpiece.com/archive/2015/1f_2a1.html

▲予告編はこちら→ https://youtu.be/zswuBvtsJhM

 

今回の上映会は、3.11を翌日に控えた開催ということで、参加者が震災復興に対する想いをめぐらせていたと思います。それぞれの想いを形にしていく方法について、片岡氏、すがわら氏から大変多くのメッセージをいただきました。

また復興が進み、日常の忙しさも取り戻してきた中で、今一度立ち止まって自分にとって「本当にやりたいことは」「一番楽しい仕事とは」と、考え直す機会にもなったのではないでしょうか。

 

 

(tsumikiチーフコーディネーター 高橋結)