オープンファクトリー「五感市」に学ぶ
企業連携が生み出す新しいビジネスの可能性
12月16日(水)の午後、地域産業にイノベーションを創出するためのオープンイノベーションセミナーが開催されました。会場となったtsumikiには、事業経営者、小商い実践者、起業を考えている方など16名が集まり、同時に行ったオンライン配信には6名が参加しました。
ゲストにお迎えしたのは、翁知屋代表・オープンファクトリー五感市実行委員会の佐々木優弥さん。東北初のオープンファクトリー「五感市」の取り組みについてお話していただきました。
オープンファクトリーとは
つくり手がものをつくりだしていく現場を公開し、来場者(お客様)に体験してもらう取り組みです。普段はお客様を招き入れることのない仕事現場を公開し、交流をおこなうことで、自社製品や仕事に対する生の声や新たな気づきを得ることができます。
来場者にとっても、普段は見ることのできなものづくりの現場を見ることで、その価値を知ることができます。
平泉町に人を集めた「五感市」
佐々木さんは、岩手県平泉町で伝統工芸「秀衡塗」の製造販売を行う(有)翁知屋の代表取締役、秀衡塗りを代々継承する五代目として活躍しています。
後継者問題や町の過疎化などで人も減っていくなか、自分たちの仕事が無くなってしまうかもしれないという危機感の共有から活動が始まりました。
「五感市」を開催するために、どのように組織を形成していったのか。先進地の開催事例などを交えて、その手法を伝えてくださいました。
「地域の事業者が、楽しそうに仕事をしている姿を見せるのが一番です。その姿を見て興味をもった若者がどんどん集まって来て活動し、課題を抱え困っている地域をともに盛り上げていく力になるのではないか」と述べた。
2020年オンライン五感市~三密~
今年はコロナ禍の中、いち早くオンライン五感市開催に舵を切りました。「三密」~今だから産地と人は密になれる~というテーマを掲げ、前向きな取り組みを実施。例年とは違い上手くいかなかったこともありましたが、Web発信をとおして全国や世界へのつながりも見えてきました。
五感市の活動を通して、業界や地域で抱えている課題を自分たちだけではなく、多くの協力を得て解決していく方法を学んだといいます。
▲講話のあとに、参加者と名刺交換をする佐々木さん。
参加者からは、
「活動のヒントをたくさんもらいました」
「利府町でもできることをやってみたいと思います」などと感想が寄せられました。
佐々木さんのお話にたくさん刺激をもらい「利府町に置き換えたならば何ができるのか」それぞれが考えるきっかけとなるセミナーになりました。
(tsumikiチーフコーディネーター 葛西淳子)