「ブリッジプロジェクト」で活性化
塩竈市にある塩釜水産物仲卸市場は、開設57年目を迎えます。売り場4,950平方メートル。鮮魚介類、塩干加工品・凍魚・冷凍食品・珍味などの店舗が約90店。店舗数と種類の多さでは東北最大級の市場です。
歴史ある仲卸市場ですが、事業者の高齢化や後継者問題、そしてこのコロナ禍においての経営はさらに難しくなっているのが現状です。
そんな中、今後の市場の継続を思い、新たな取り組みをしようと市場の有志メンバーで「ブリッジプロジェクト」が立ち上がりました。
メンバーたちは、「市場を未来に繋ぐ架け橋の役割を担う」という想いを胸に、さまざまな取り組みにチャレンジしています。
2020年から「市場でマルシェ」を開催
お客様に、定期的に市場を楽しんでもらいたいと、空きスペースであった旧7号売り場をリノベーション。「theSevenStreet」として生まれ変わりました。
ここでは週末になると、焼き菓子や野菜、漬物など販売や、鉱石ハンドメイド作品などが販売されます。
その他にも、市場の玄関口である南側正面入り口の扉にアーティストと地元小学生などが絵を描くなど、新しい取り組みが行われています。
帰ってきたplaying in 市場!~こどもチャレンジラボ編~
昨年、夏休みの子どもたちに大好評だった「こどもチャレンジラボ」が再び開催されました。なかでも、tsumikiがコーディネートする「Playingin市場!」には、おなじみの出店者さんからはじめましての方までが軒を連ね、夏恒例のワークショップを彩りました。
さて、TheSevenStreetでは…?
■男の子90(仮想空間) *初出店
男の子90は、少年のようにワクワクしたい大人たちのユニット。少年の心を持ったまま生み出すワークショップは一ひねりも二ひねりも工夫を凝らしています。
今回は市場の出店に合わせ「オリジナル漢字&お寿司を考えよう」を実施。
オリジナルの魚辺の漢字づくりに挑戦し、オリジナルのお寿司を工作しました。そして、そのお寿司は仮想空間(メタバース)に展示するというのですから、なんともワクワクが止まりません。
仮想空間には、アプリをダウンロードすることで誰でも行くことが可能です。そこでは、自分自身のアバターを作り、出店者同士のコミュニケーションをとることもできます。可能性が広がる空間に、子どもも大人も興味深々でした!
■aru print studio(版画) *初出店
版画家のあるがあくさんはワークショップを通して、版画の面白さを伝えています。インクのつけ具合や重ね方、彫る深さによっても表情が変わる版画。
今回のワークショップでは、傷がついた野菜、摘果された梨を使った野菜のはんこと、市場の商品に合わせて彫り上げた、マグロ3種、クラゲなどの魚類のはんこでマイバックを作りました。
マグロやクラゲが漂う水族館のようなバックになったり、野菜のかわいい切り口が並んだフレッシュなカバンになったり。出来上がったカバンを掲げて、参加者のみなさんは、満足気。
■おなじみJolis Biscuits のアイシングクッキー
塩釜市に工房を構えるJolisBiscuits さん。アイシングクッキーのワークショップではお子さんに楽しんでもらおうと、アイシングクッキーのキッドを作成しました。
アイシングクリームは野菜やフルーツなどのパウダーを使用し、自然の色で色付けしています。お子さんから大人まで安心して食べることができます。
ワークショップでは「ネコやパンダの こけし風クッキーを作ろう!」を実施。
かわいいお顔を書いたり、お魚、お花を付けたりと、アイシングクリームで思い思いに描きました。
9月には場内のリニューアルを行い、さらにスケールアップしたTheSevenStreetに生まれ変わる予定です。ブリッジプロジェクトを中心に、TheSevenStreetから新しい市場の可能性を模索しているそうです。次はどんな仕掛けが生まれるのか、楽しみですね。
(tsumikiコーディネーター 大宮紗妃)