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【新生業塾ステップアップコース】コンセプトづくりから学ぶ小商いブランディング

9月14日から11月18日までの約2ヶ月間、新生業塾のステップアップコースとして、「コンセプトづくりから学ぶブランディング」と題した全5回の講座を開催しました。

講座には宮城県内から4名の方が参加され、それぞれの事業や商品についてのブランドコンセプトを言語化すべく本業の隙間時間を割いて課題に取り組み、自身の事業に向き合いました。最終的には2名の方が期間中に納得感のあるブランドコンセプトをつくりあげることができました。

▲tsumikiで行われた第1回講座の様子


●自社事業を徹底的に見つめなおす


講師には、自社アパレルブランドの運営経験を活かし、地域の事業者に対するブランディング支援を行う岡山県の民布合同会社代表の岩崎恵子氏をお迎えし、ブランドコンセプトづくりを中心とした、ブランディングの考え方についての講義と、プログラム中に受講生が作成するコンセプトに対して総合的な提案を行いました。

岩崎さんの的確なアドバイスにより、参加者たちは回を重ねる毎に自身のアウトプットが磨かれていくことを実感し、自然と表情が明るくなっていったのがとても印象的でした。


⇒民布合同会社のHPはこちらです。


特定の商品やサービスに対してブランディングをかける際は、その母体となる法人や個人事業主自体のコンセプトが定まっているかどうかが前提であり、非常に重要となります。

参加者の中には講師との面談の中で前向きな原点回帰をし、当初考えていた事業のブランディングから、会社そのもののブランディングにシフトされた方もいました。

また、ある参加者は、講師から出された課題に従い従業員に対してヒアリングを行ったところ、「今まで見落としていた自社の強みに気付くことができ、ひとりでは創ることができなかったであろう納得できる良いコンセプトができた」と語っていました。


全5回のプログラムは、概ね下記のテーマに沿って行われました。

  • 民布合同会社が行うブレンディディレクションとは
  • 事例で学ぶブランドコンセプトづくり
  • 地域と自社ブランドを見つめ直す
  • ブランディングとマーケティングの違いについて
  • ブランドコンセプトの言語化

全5回の講座を通じて、参加者は様々な役立つ学びを得ていました。特に印象深かった3点をご紹介したいと思います。


① ニッチでユニークであること

小商いはその名の通り、スモールビジネスです。アイデアや想いがいくらあっても自由に運用出来るいわゆるヒト・モノ・カネには制限があります。

大手企業以上に資源が限られる小商い事業者は、少ない資源をより効果的に運用することが求められるということです。

社会や顧客から求められるものに対しては、目に見える強みだけでなく、熱量などの目に見えない資源も考慮して、自身が持つ資源を洗い出し、組み合わせていくことで「深み」や「独特の色味」を持つ「ニッチでユニークな個性」いわゆる唯一無二の価値を生み出すことができるのです。


② すべての土台となる盤石なコンセプトを

名刺、HP、チラシなどのデザインをはじめ、マーケティングやPRはすべて、ブランドコンセプトを基につくられるものです。

ブランドコンセプトが無い状態、あるいは曖昧な状態でつくられるものには一貫性がありません。また、ブランドコンセプトは事業運営において物事を判断する際の指針となるものです。指針が無い状態で、その場の思いつきやアイデアで販促物等をつくっているとアウトプットにブレが生じ、最悪の場合、顧客離れにもつながってしまいます。

事業運営の判断基準となる盤石な納得感のあるコンセプトをつくることが大切です。


③ 顧客の「不」を解消しているか

いくら耳障りの良いコンセプトを作成したとしても、お客様の「不」つまり、「不安、不満、不便」などを解消できていないと、長期的にお客様から相応の対価を得ていくということは難しく、ビジネスとしては成立しません。

これは当然のことのようにも聞こえますが、自身の想いやアイデアにばかり執着していると、ついお客様の観察や傾聴を怠り、事業が縮小していってしまうということはよくあることなのです。


●ブランドコンセプトを言語化する


以上の3点を考慮しつつ、参加者はブランドステイトメントと呼ばれる200~300文字のコンセプト本文と、ブランドキャッチと呼ばれるタイトルフレーズを案出しました。

この200字~300字という字数制限は、コンセプトの使用における汎用性を高めるねらいもありますが、思いや背景、商品やサービスの強みについて、簡潔に理解を獲得していくためのボリュームとして大変適当であると感じました。

センスの良い言葉選びにはある程度のスキルや経験が求められますが、想いや背景など様々な要素が込められているこの300字には、それぞれの事業者の唯一無二性がよく現わされていると感じました。

本講座を通じてつくられたブランドコンセプトが、今後それぞれの事業をどのように発展させていく一助となるのか、今後の展開がとても楽しみです。


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事業の成果は、2024年3月発行の「つみきのキモチ vol.23」でも紹介予定です。
発刊を楽しみにお待ちください。
またブランドコンセプトづくりに興味のある方は、ぜひtsumikiスタッフまでお気軽にご相談ください。


(tsumikiコーディネーター 佐藤由崇)



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