東日本大震災を語り継ぎ、防災に生かす活動をしているアイリンブループロジェクトのすがわらじゅんいちさんと、語り部の佐藤美香さんを招き、3月21日(水・祝)利府から広げよう!「花が伝える防災と命」を開催しました。
利府町内外から、震災を伝える活動や防災・減災に関心のある24人の方々が参加しました。
佐藤美香さんは、東日本大震災で娘の愛梨ちゃんを亡くしました。「行ってきま~す」と幼稚園に出かけた愛梨ちゃんが、「ただいま~」と美香さんのもとに帰ってくることはありませんでした。通っていた幼稚園から帰宅途中の送迎バスが、子どもたちを乗せたまま津波の被害に遭ってしまったのです。
美香さんは「何気ない日常が、いかに幸せなことなのかを考えるきっかけにしてほしい」と、語り部の活動を続けています。そして、「守るべき子どもの命を、大人判断ひとつで二分されることがあってはならないです」と、この震災で得た教訓を伝えます。
すがわらじゅんいちさんは、2015年の春、以前から交流があった美香さんと一緒に愛梨ちゃんの最期となった現場を訪れました。そこには、ここに愛梨ちゃんたちが存在していた証のようにマーガレットの花が一面に咲いていたそうです。その中の一輪を利府町の自宅に持ち帰りました。すると奇跡的に芽吹き、花が咲いたのでした。
すがわらさんたちは、この花をあいりちゃんの花と名づけ、翌年から「被災地から未災地へ」花で忘れない防災リレーを開始。アイリンブループロジェクトを立ち上げ、植栽活動を行ってきました。その活動は全国に広がりつつあります。
お二人の話しを聞いたあと参加者全員で、tsumikiの敷地の一角にあいりちゃんの花を植えました。
美香さんは「花が根をはって咲くように、防災意識が根付いてほしいです」と、植栽の様子を見守ります。
すがわらさんは「この花をは、復興の象徴。震災を伝え防災を忘れない花として、未来に受け継いでいきたいです。今日は、そのスタートですね」と、あいりちゃんの花が利府町から全国へ広がっていくことに期待を寄せています。
すでに「花を植えたい。活動に協力したい」という町内会や団体からの問い合わせもあるということです。
この企画は、すがわらさんに「つみきのキモチVol.6」十符の里びとの取材をお願いしたご縁で実現しました。
tsumikiに植えたあいりちゃんの花を、みんなで大事に育てていきたいですね。
(tsumkiチーフコーディネーター 葛西淳子)