\CHALLENGER/
tsumikiを中心に、利府町でチャレンジする人々をご紹介します。
今回は、利府町春日で農業を生業としている赤間さんにお話をうかがいました。
実はもう一つ、シンガーソングライターとしても活躍しています。
赤間泰樹さん(シンガーソングライターノーカー)
「農家は楽しいよ!」って伝えたい
「シンガーソングライターノーカー」という一風変わった肩書きを持つ赤間泰樹さん。利府町春日地区を中心に、田んぼ約1. 5ヘクタール、約70アールの梨畑を持ち、米、梨、数種類の野菜を栽培しています。3 世代の8人家族。一家で農業を営んでいます。
晴れた日はクワを、雨の日はギターを
赤間さんは、自身のことを「シンガーソングライターノーカー」と呼びます。大学時代からギターを始め、サークルでデュオやバンド活動を経験。サラリーマン時代も仕事が終わるとライブに出演するなど、音楽の活動を継続してきました。
現在も農業を通して目にした光景や、家族との日常を曲にし、農業の魅力をライブ活動などで伝えています。
脱サラして農家に転身
大学卒業後、9年間農業に関する会社でサラリーマン生活を過ごしました。農家の長男として生まれた赤間さん、「小さい頃は農業にさほど興味はなかった」と言います。しかし、サラリーマン時代、高齢化などに悩む農業の現場を多く見るなかで「自らも農家として働き、農業の活性化に繋げよう」と、実家の家業を継ぐことを決意しました。
利府町は大きな消費地である仙台市に近く、作物を出荷しやすい立地で、消費者との距離が近いことが利点です。また、利府町の農業は高齢化が進んでいるものの、皆さんが現役で仕事をしており、比較的恵まれた環境にあるようです。
若い力が足りない
しかし、利府の農業のこれからを考えると、やはり若い人が少ないことが問題です。「農家は地味で仕事がキツいというイメージを持たれがちだけど、残業はないし自由に仕事が調整できる。なにより家族との時間を持てるところが魅力だ」と赤間さんは言います。
利府町が発展を見せている中、「第一次産業を置いていかないでほしい」と赤間さん。「成長している利府町も、農業においては支援制度の脆弱性や若者不足など、いろいろ課題がある」と感じています。「今後は新しい農業の技術を習得し、農家としての独り立ちが目標。そして、音楽活動を通して農業の楽しさを伝えていけたらいいなあ」と、まだまだこれからもシンガーソングライターノーカーとしての日々が続きます。
取材・文 tsumikiライター 宮城大学 鈴木沙菜
『つみきのキモチvol.4』掲載(2017.6.30発行)