\CHALLENGER/
利府町でチャレンジする人々をご紹介します。
2017年7月利府町浜田にオープンしたMOLA MOLA CAFE(モラモラカフェ)。店主の末永統海(すえながおさみ)さんに、利府町で起業することの魅力やこだわりについて、tsumikiライター塾受講生の赤間泰樹さんがお話をうかがいました。
利府に住みついたユラユラマンボウカフェ
利府町にも、海があることをご存知だろうか。「利府梨」や「大型イベント施設」などから「山」や「陸」のイメージが強い利府町だが、塩釜市と松島町の間に利府町の「海」がある。その松島湾を臨むその景色に惚れ込んだオーナーが作ったお店が、「モラモラカフェ」だ。
「ゆかり」はないけど、絶景があった
オーナーの末永統海さんは、仙台一番町で「MILLS」という老舗喫茶店を経営している。子どもの頃から両親が喫茶店を経営していたこともあって、自身も学生時代から起業し、これまでにライブハウスや喫茶店などいくつかのお店の経営経験がある。
末永さんが「海の風景がある気に入った場所に、新しくお店を開こう」と思ったのは約4年前。ふさわしい場所と物件を探し続け、ついに見つけたのが松島湾を一望できる利府・浜田港だった。
「自分は仙台の生まれで、利府に特にゆかりは無かった。ここの景色が何よりも決め手」と語る。浜田にカフェをオープンしたのは、2017年7月のことだった。
モラモラでユラユラしよう
築20年の建物を、オーナー自ら内装を手掛けるなどして改装した。店内は、海が広々と見える大きな窓と古家具を活かし、随所にアジアンな装飾を取り入れた。お店の名前は「モラモラカフェ」。「モラモラ」とは、ラテン語で「マンボウ」のこと。海面を漂ったり、深海に潜んだりするという、ミステリアスな生態と、愛嬌のある表情が特徴の「マンボウ」。それがこのお店のイメージにピッタリだったことから、店名として使うことを決めた。
現在行われている防波堤工事が完了したら、「テラス席」を増やす予定だ。末永さんは、「コーヒーを飲みに」「この海を見に」立ち寄ってもらいたいと言う。お店でオーナーイチ押しの海をのんびりボーっと眺めてみたら、マンボウになって松島湾をユラユラ漂う気分を味わうことができるかもしれない。
国境も荒波も越えて
「この海に似合うものなら何でも出しますよ」とメニューは、挽き立てコーヒー、ベトナムサンドイッチやコーヒーゼリー、ベルギーアイスクリームなど、国境にこだわらないものが並ぶ。
末永さんは「本当は仕事しないでのんびり昼寝していたい」と笑う。そして、「飲食店なんてやるもんじゃないね」とばっさり。しかし、そこにはこれまでの経験に裏打ちされた経営していくことの難しさと、それでも挑んでいこうという末永さんの熱い思いが表れているように感じられた。
商いに関係する知識を積極的に取り入れて実践しながら、「情報を集めることは大事だが、時には情報を入れないことも大事」と、広い視野で冷静に分析もしている。決して穏やかなさざ波のときばかりではない、浮き沈みの激しい業界の荒波を、末永さんはこれからも泳いでいくのだろう。
取材・文:赤間泰樹(ライター塾2018受講生)
(取材日:2018年8月3日)
◆つみきのキモチvol.08の特集でも紹介していますので、あわせてご覧ください。
⇒「海と隔てなくつなぐ場所を求めて」
取材・文:櫻井陽子(ライター塾2018受講生)
■MOLA MOLA CAFÉ(モラモラ カフェ)
宮城県宮城郡利府町赤沼字浜田100-55
HP:http://molamolacafe.com/index.html
営業時間:11:00~17:00
定休日:水曜日