新しい生業(なりわい)づくりを目指してチャレンジする人を、tsumikiスタッフが伴走してサポートする「tsumiki二人三脚プロジェクト」。
東日本大震災以降、価値観の転換とともに新しい生き方、暮らし方を模索する人々が現れています。その中で利府町にも新しい生業を生み出すために日々挑戦するチャレンジャーたちを、tsumikiスタッフが伴走しサポートするプロジェクトです。
◆INAGO BALL 鈴木俊明さん(陶芸家)の今を、tsumikiコーディネーター大宮紗妃が報告します。
鈴木さんは利府町生まれ。利府町に暮らし、歯科技工士として働きながら陶芸家としても活躍しています。
30代後半から始めた陶芸教室で陶芸家・大江文彦氏に出会い、従事しました。そこから数々の賞を受賞し、イベントの出店や自身の個展など多方面にわたって活躍しています。
屋号の「INAGO BALL」とは…?
鈴木さんが子供のころ、利府の小学校ではイナゴ取り大会をして、その収益で学校の用具を購入していたそうで、そのなかで購入したボールが「イナゴボール」と言われたそうです。その仕組みに面白みを感じ、思い出を残したいと「INAGO BALL」という屋号にしたそうです。
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tsumikiで開催されている「こ・あきない市」に初回から参加し、その後委託審査を経て、tsumikiセレクトショップで委託販売していました。
そのほか、もくようマルシェに出店し、WSなどを通して陶芸の楽しさを伝えています。
当初は「土を使った焼き物で、その対角にある水や海を連想できるものを表現したい」と、青を基調とした鮮やかな作品が並んでいました。
同年8月1日~10日に岩手県盛岡市にある旧石井県令邸で、「土の貌を拓く」という個展が開催されました。その個展には鈴木さんを含め3人の陶芸家の作品が並びました。個展に参加した鈴木さんはそこで新たな刺激を受けたと話します。
「また土に立ち返って、土で表現してみよう」
その作品は12月の「出張もくようマルシェ」に並びました。
「利府で面白いことをしたい、ここならではの販売をしてみたい」と話す鈴木さんは「出張もくようマルシェ」にも度々出店しています。
マルシェでは、初来店の若い男性がぐいのみを購入。
「ふらっときたお客さんと陶芸の話をしていると、購入してくれることがあるんだよね。興味を持ってくれる若い男性が最近多くてうれしいね」。
ぐい呑みには、中にお酒を入れた時、キラキラ反射するように釉薬が塗られているものがあります。
お酒の量や器の傾きで光の入り方が変わります。そこから器とお酒を楽しんでもらいたいと、鈴木さんのこだわりが詰まっています。
土の表情そのものが出るよう試行錯誤を繰り返している、という鈴木さん。
「今後は利府ならではの作品を作ってみたい」そして、「利府の土や灰などを使って利府ならではの作品を生み出してみたい」と話す鈴木さん。tsumikiはこれからも応援していきます。
(tsumikiコーディネーター 大宮紗妃)