新しい生業(なりわい)づくりを目指してチャレンジする人を、tsumikiスタッフが伴走してサポートする「tsumiki二人三脚プロジェクト」。
東日本大震災以降、価値観の転換とともに新しい生き方、暮らし方を模索する人々が現れています。その中で利府町にも新しい生業を生み出すために日々挑戦するチャレンジャーたちを、tsumikiスタッフが伴走しサポートするプロジェクトです。
◆赤間農園 赤間泰樹さんの今を、tsumikiコーディネーター大宮紗妃が報告します。
赤間泰樹さんは利府町春日地区を中心に、田んぼ約1.5ヘクタール、約70アールの梨畑を持ち、米、梨、数種類の野菜を栽培し家族三代で農業を営んでいます。
その一方、シンガーソングライターとしても活動し、自身のことを、「シンガーソングライターノーカー」と呼びます。大学時代からギターをはじめ、サークルやデュオ、バンド活動を経験。サラリーマン時代も仕事が終わるとライブに出演するなど、音楽活動を継続してきました。
現在も農業を通して目にした光景や家族との日常を曲にし、農業の魅力をライブ活動などで伝えています。
ライブ先で自身が栽培した野菜や果物を販売することもあるそうで、「利府町をアピールできればいいなあ」と話します。シーズンオフの時にどうアピールできるのか思案のしどころです。会場にきたお客様にとって「あまり荷物にならないような、鮮度を気にせず運べるもの」という観点から、「梨のドライフルーツはどうか!」との案が生まれました。
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2019年7月「ドライな仲間たち」の後藤さんと打ち合わせ
tsumikiで開催される「こ・あきない市」にも出店している「ドライな仲間たち」後藤さんは、地場産の野菜や果物をドライフルーツに加工し販売しています。
まずは、後藤さんに話をきいてみよう!ということに。
試作として「赤間さんの梨をドライフルーツにしてみよう!」ということで、梨の収穫の時期を待つことになりました。その間平行して、袋のパッケージデザインについてイメージを膨らませることにしました。
2019年9月 試作、完成お目見え
ようやく梨の品種「幸水」の収穫時期となり後藤さんと再度打ち合わせ。試作品を経てドライフルーツ「幸水」の完成品のお目見えとなりました。
水分が80パーセント以上の梨はドライフルーツにするのがなかなか難しく、時間がかかるそうですが、その分甘みがぎゅっととじこめられ、食感も他にはないものです。低温でじっくり乾燥させた、無添加・砂糖不使用の「幸水」のドライフルーツの出来上がりです。
赤間さんが育てている梨は数種類あるので、種類ごと作ってみたらおもしろそう!収穫時期が違う梨でも、ドライフルーツにすれば一度に食べることができ、お客様に梨の味の違いを伝えやすい!と次の商品へ向けての話も進みました。
2019年9月 パッケージデザインができました!
赤間さんらしい、オリジナルのものとは…?と考えた時、赤間さんが自ら描くイラストを入れたらいいのでは、と考えました。赤間さんのイラストは味があってあたたかみがあります。
今回の商品を「赤間泰樹のいっぴんシリーズ」と名付けました。
2019年10月~12月 いよいよ販売開始!
10月のもくようマルシェで幸水のドライフルーツ初の販売。
梨のドライフルーツは珍しく、たくさんのお客様にご購入いただきました。
試食も好評で、今までにない食感と甘みにみなさん興味津々でした。
続けて、2019年12月のもくようマルシェクリスマスマーケットでも販売しました。
「幸水」に加えて、10月に収穫される梨「あきづき」のドライフルーツ。そこに新米のお米、ひとめぼれも加わり、シリーズは3品に。
お米は試食として食べていただきやすい2合パックを用意。贈り物にちょうどよい大きさです。
3品ともにカラー別にしました。
クリスマスマーケットではお客様に梨のドライフルーツを試食してもらい、品種によってこんなにも味が違うこと、お土産として贈り物として買っていく人が多かったことなど利府町民の梨への興味や関心、さらに利府町以外の人も関心が高いことがわかりました。
今後は自身が育てた野菜を、ドライベジタブルやパウダーにしても面白そう、とさらなる展開が期待されます。
また、自身で企画したライブでいっぴんシリーズの販売など、赤間さんから目が離せないですね。tsumikiは今後も応援していきます。
(tsumikiコーディネーター 大宮紗妃)