2021年度の新・生業塾を開講しました。
新・生業塾とは、利府町の地域資源を活かし、新しいビジネスの創出を目指す人向けの連続セミナーです。県内で起業し活躍するゲストを招いての公開講座と、小商いをステップアップし生業にしたい方のための連続講座(全5回)を実施します。
9月18日(土)石巻ウェディングの豊島栄美さんを迎え、公開講座を行いました。当日は、起業・創業に関心のある方々20名が参加しました。
「地域とつくるビジネス~石巻をウェディングのまちに〜」
東日本大震災後、地元の石巻にUターンし、石巻ウェディングを立ち上げた豊島さん。地域の魅力と課題を発見し、ウェディングでまち全体を明るく変えていこうと様々なチャレンジを続ける秘訣を、じっくり伺いました。
地域の課題と魅力を事業に活かして
震災から2年経った頃。当時の石巻には、面白い取り組みをしている店や人、美しい自然があると気づいた豊島さん。「ウェディングにぴったりの町なのではないか」と思いリサーチをはじめました。すると、婚姻件数に比べ、石巻で結婚式を挙げる件数が極端に少なく、結婚式などの祝い事の風景を見ることが少ない土地柄であることがわかりました。「ないなら、つくり出そう」。祝い事の持つ明るい雰囲気は、町全体を明るくするはず。それが石巻で起業したきっかけでした。
特別な日だけじゃなく、日常でも結婚式を
これまで一貫して、想いのある大切な場所で、大切な家族や友人に感謝を伝えることができる想いの詰まった結婚式になるよう、新郎新婦とゼロから一緒に作り上げるオリジナルのウェディングを提案してきました。
2020年には、もっと祝い事を身近に感じてもらおうと石巻市の街中に雑貨屋とカフェを併設したアトリエをオープンしました。初期費用調達のためクラウドファンディングで資金を募ったところ、これまでに結婚式を挙げた新郎新婦やその家族からたくさんの支援があったといいます。
訪問型の結婚式で、コロナ禍でも祝いをかなえる
近年、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて結婚式の中止や延期を余儀なくされる事態となりました。人との集まりを避けざるを得ない世の中でも祝いの気持ちを諦めない形として「訪問型」のウェディングを提案しています。新郎新婦がお世話になった方々の家々を訪問し感謝の気持ちを伝えるというもの。実際の様子を動画で紹介しました。
人生をかけて取り組む想い
豊島さんからは、これまで仕事にかけてきた想いについて、当時の心境を交えて丁寧にお話いただきました。その時々の想いと出会いを大切にし、新しい祝い事の形を作りながら前進している力強いお話を聞くことができました。
豊島さんの飾らないお人柄も魅力的で、参加者の皆さんもトークに引き込まれた様子でした。質疑応答では、時間が足りないくらいの挙手があり、豊島さんがひとつずつ真摯に答える姿が印象的でした。お話を聞いて、「一緒に仕事をしてみたい」と思った参加者もいたのではないでしょうか。
地域の人、クリエイターや職人、町のさまざまな人たちを巻き込み、新しいモノコトをつくり出して地域に貢献しようとチャレンジする姿から、大きなエネルギーをいただきました。
豊島さん、参加者の皆さん、ありがとうございました。
【新・生業塾2021レポート】
◆公開講座 9月18日(土)13:00-15:30
◆連続講座①:9月26日(日)10:00-12:00→★
◆連続講座②:10月10日(日)10:00-12:00→★
◆連続講座③:10月16日(土)10:00-12:00→★
◆連続講座④:10月24日(日)10:00-12:00→★
◆なりわい市:11月20日(土)10:00-15:00→お知らせ
(tsumikiコーディネーター 板橋芳理)