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新・生業塾 連続講座③「実践者に聞く」交衣室mege・内田麻衣さん


2021年度の新・生業塾開講




新・生業塾とは、利府町の地域資源を活かし、新しいビジネスの創出を目指す人向けの連続セミナーです。県内で起業し活躍するゲストを招いての公開講座と、小商いをステップアップし生業にしたい方のための連続講座(全5回)を実施します。

連続講座は、これまでにない働き方や事業に着目し、講話やディスカッションを交えながら実際に生業をつくる、学びの場です。5名の受講生と共に歩みます。


10月16日(土)第3講目
フィールドワーク「実践者に聞く」


講師は、交衣室mege・店主の内田麻衣さんです。
受講生とともに、松島町高城町の商店街にある店舗を尋ねました。

内田麻衣さんは、石巻市北上町出身。アパレル会社で販売員、縫製業に携わり、東京、岡山の勤務を経てUターン。2015年、石巻の市街地に「日和スタイル」を設立。2019年には松島町高城に店を移転、店名を「交衣室(こういしつ)mege」としました。衣服の貸し出しを中心に、お直し、リメイクなど、服を長く大切に着る生活を提案し、ただの更衣室ではなく人と物が、衣(ころも)を介して交わる場となっています。



店に一歩足を踏み入れると、ひときわ目を引く婚礼衣装のドレスやタキシード。大きな鏡に対面したラックには参列着が並びます。木の棚にちょうどよく配置された衣装や、衣にまつわる雑貨たちに、思わずしげしげと見入ってしまいます。

講話は、初来店の受講生5名が、店主の内田さんに質問をするかたちではじまりました。



お店の合言葉は、「かわいい服には旅をさせよ」

今は着ていないけれど思い入れのある服を、誰かに貸して着てもらうことで、服を長く楽しむ。内田さんのお店の仕組みです。交衣室megeでは服の貸主のことを「箪笥主」と呼び、箪笥主さんがその服にどんな想い入れがあるのかを内田さんが聞き取り、エピソードをタグに記します。お店で服を手に取ったお客様は、タグに書かれた持ち主の想いを一緒に受け取ることができます。

すべての服は預かり期間を決め、お店で借り手がいない服は箪笥主さんへお返ししています。お店のコンセプトや取組みをお客様に丁寧に伝え、時にはお断りする服もあるのだとか。「せっかく預けていただいても、お店で箪笥の肥やしにしてはもったいないので」と内田さん。



高城町商店街にあるこの店は、元呉服屋だったそうで内装を活かし内田さんがDIYしました。貸し出す衣は、アパレル時代の仲間や、全国各地を旅して出会った友人知人から集まりました。松島町に根を張りながら、全国に衣を介してつながりをつくっています。

服のお貸し屋さんとして5年が経過した今、将来についてお聞きすると、「今の在り方を長く続けていけたら嬉しいです。お店の取り組みに共感してくださる方がいて、いろいろな地域に分店ができたらいいですね」と話してくれました。


講座の時間をフルに使って、内田さんに質問を投げかけた受講生のみなさん。「お店の想いに共感した人たちとの “よりよい関係性の構築” が事業を育て、メリットデメリットだけじゃないつながりが生まれていくということを教わりました」と事業を続けていくためのヒントをたくさん受け取りました。


内田さんの「衣」に対する想い、仕事への想いを五感で感じることができ、充実した講座になりました。

次回は、tsumikiに戻り、最後の座学です。

 

【新・生業塾2021レポート】

公開講座 9月18日(土)13:00-15:30 ⇒★
連続講座①:9月26日(日)10:00-12:00 ⇒★
連続講座②:10月10日(日)10:00-12:00   ⇒★
◆連続講座③:10月16日(土)10:00-12:00 ⇒イマココ
連続講座④:10月24日(日)10:00-12:00  ⇒★
なりわい市:11月20日(土)10:00-15:00  ⇒★お知らせ
なりわい市:11月20日(土)10:00-15:00  ⇒★レポート



(tsumikiコーディネーター 板橋芳理)



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